地殻ダイナミクス

平成26年〜30年度
文部科学省 科学研究費補助金 新学術研究

Crustal Dynamics Unified understanding of intra-island deformation after the great Tohoku-oki earthquake.

B02(変形実験班)岩石変形実験による地殻の力学物性の解明:流体の影響(代表:清水以知子)

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 室内実験により,地殻応力を規定する断層摩擦強度の物質、環境依存性を定量的に調べ、島弧-海溝系のレオロジーモデルに必要な粘性流動パラメータを決定す る。特に地震発生帯での流体の役割に注目し、流動・破壊・摩擦過程に及ぼす物理化学的効果を解明する。具体的には以下のことを行う。(1) 地殻上部の脆性領域での断層弱化過程を解明するため、流体存在下の粘土鉱物生成や炭質物などによる潤滑作用を調べる。(2) 地殻中部での帯水層形成の可能性を岩石・水相互作用から検証し、内陸地震との関連について考察する。(3) 地殻中部や沈み込みプレート境界深部に相当する高温高圧・高間隙水圧下で地殻・マントル物質の摩擦試験を行ない、断層すべり素過程における圧力溶解−沈殿 作用および塑性変形の効果を解明する。 (4) 下部地殻を構成する長石等の高温クリープ試験を行い、流動則を精密に決定する。力学データを高精度で取得するために、地下の様々な温度圧力条件に対応する 現有の様々なタイプの変形試験機を活用するとともに、新たに熱水式回転摩擦試験機を設計開発する。