鳥取県西部地震関連情報(Mw6.6) メイン 余震活動 稠密余震観測
(全国大学合同地震観測)
臨時観測 活動履歴
京都大学防災研究所 地震予知研究センター リンク *ENGLISH* 稠密GPS観測(GPS大学連合)

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緊急高感度余震観測

 本震直後の余震活動を観測するため、片尾 浩、吉井弘治の2名が本震翌日の10 月7日午前に現地入りした。付近の被害状況、道路状況などを確認した後、同日午後 、本震震源の直上にあたる鎌倉山北側の山中(西伯町)に高感度地震計を設置した。 翌8日は、余震域を囲むように会見町朝金、日野町三土、日南町尾郷、島根県伯太町 上卯月の4点に地震計を設置し観測を開始した。地震計はMARKPRODUCT社製L-22D3成 分もしくは上下動1成分のみを使用した。データロガーは白山工業製LS8000SHをトリ ガーモードで使用したが、多数の余震が連続的に発生しているため、時間的にほぼ連 続してトリガーがかかる状態であった。従って、各々観測点で1回の収録につき数時 間でメモリーがいっぱいになってしまうことになる。一方、5点の観測点を巡回する にもやはり数時間を要するため、連続的に収録を継続することは不可能であった。し かしながら、8〜9日の2日間にわたりデータ回収と再セットを繰り返すことによっ て、極微小のものから8日の最大余震(M5.2)までを含む、無数の余震の良好な波形 記録を得ることができた。(このうち5点が同時に収録している時間帯は2日間で各 々半日程度)
 これらの5点は、前述のように連続観測を継続することが困難であるため10日に 一旦撤収し、12日から始まる大学合同余震観測に備えることとした。
 データは現在解析中であるが、震源域近傍の記録により精密な余震分布が求められ ると期待できる。その結果を用いて本震直後からの常設テレメータ観測による震源デ ータを補正することも考えられ、合同観測開始以前の余震活動の詳細を知る手がかり としたいと考えている。

(図はクリックすると大きくなります。)


観測点配置


波形例。winを使用。この画面の中だけで大小5個の余震が確認できる。



TTR4観測点の波形例。S-Pが0.3秒など非常に短いものが多く見つかる。TTR4は 本震断層面から5km以上離れている。地域全体の浅部地殻で微小破壊が誘発さ れているのかもしれない。