地殻変動データに対するコメント

2017.1.4
あけましておめでとうございます.昨年は熊本地震,鳥取県中部の地震などの内陸地震が発生し,マスコミに取り上げられることも多くなって,なかなか研究できる時間が少なく,皆様から個別にいただいたメールにも返信できませんでした.いただいたメールは読んでおりますので,ご意見ご提案などに関しまして,この場を借りて御礼申し上げます.地域的には,特定の地域を詳しく表示して欲しいとの要望も受けておりますが,基本的には本ページは,私が関係している大学グループ等で設置した観測点のデータを表示する目的で作成しております.日本全国の地殻変動をご覧になりたい方は,国土地理院GEONETの最新の地殻変動情報のページをご覧いただきたいと思います.当ページでは,各観測点の時系列データの表示を拡充し,GNSS軌道暦の速報暦を利用して,3日前までの時系列を表示するように変更するとともに,鳥取県中部に新たに設置した観測点の表示も始めました.なお,一部の観測点では,通信状況などにより3日前のデータを表示することができない点もあります.

2017.4.7
最近,宮崎県の日向灘沿岸で発生するスロースリップイベント(SSE)や南海トラフ巨大地震震源域の南西端をGNSSデータから決めていくために,GNSS観測点を新設しています.他大学との共同研究による観測点も今後増加していく予定ですので,この地域の最新のデータをお届けできるように整備していきたいと思います.

2018.3.9
久々にコメントを更新します.西南日本に発生するSSEには,1週間程度で終わってしまうものと1ヶ月から数年程度にわたって継続する2つのタイプがあり,それぞれ短期的SSE,長期的SSEと呼ばれています.前者のSSEに伴う地殻変動は,最大でも2-3mm程度ですので,Monitoringに示すような1年間のベクトルでそれを読み取るのは難しいですし,時系列でも判別することは難しいものです.ただ,そのような微少な変形でも,解析方法を工夫すれば検出できるというのが,2013年と2014年に出版された論文ですので,興味のある方はPapersのページをご参照下さい.2016年10月の鳥取県中部の地震以降に,臨時観測を行っていた観測点の一部では,本年1月で観測を終了しました.これらの観測点の時系列は今後更新されません.

2018.8.23
GNSSデータを用いて地殻変動を観測する場合に標準的に使われる座標系としてITRF(International Terrestrial Reference Frame)があり,数年に1回座標系自体が見直されます.最新のITRFはITRF2014です.本ページでGNSS観測点の座標値の計算に用いているソフトウェア(GIPSY)では,米国ジェット推進研究所(JPL)の公開するGPS衛星の軌道暦や座標変換パラメータを用いているのですが,今年の5月19日から公開される暦やパラメータがITRF2014用のみになってしまい,今まで計算に用いていたITRF2008用のものが公開されなくなってしまいました.そこで過去のデータからITRF2014において再計算を行っており,2015年以降の再計算が終了しましたので,本ページ公開しているデータもITRF2014となっております.1994年のデータまで遡って再計算する予定ですが,今後数ヶ月間かかる予定です.なお,再計算が終了してから,アンテナ交換等に伴う人為的オフセットの補正を行いますので,それまでは人為的なオフセットがデータに紛れ込んでいる可能性があることにご注意下さい.

2019.1.18
地殻変動のベクトルマップ(矢印での表示)で青い四角をクリックすると観測点の最近2年間の時系列が表示されますが、青四角が表示されていない観測点の時系列も実は表示することができます。http://www1.rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp/~nishimura/Resources/XXXX.neu.png のXXXXに4文字の観測点ID(GEONETの観測点の場合は下4桁の数字)を入れると、解析している全ての観測点において表示できますので、お試し下さい。

2019.4.10
鳥取県を中心に設置していた京都大学独自のGNSS観測点は、プロジェクト終了により一部の観測点を除いて撤収しました。今年度からは島根県中部などで新たな観測点を設置して観測を開始する予定です。

2019.4.10
過去に1996年、2003年、2010年頃に発生した豊後水道の長期的SSEが2018年の年末頃から発生しています。豊後水道周辺のベクトルが小さくなっていることと、足摺岬周辺の観測点では、顕著な隆起も観測されています。一時に比べると変動速度が落ち着いていますが、トータルの変位量は過去3回のイベントの半分程度ですので、今後さらに継続していくかもしれません。

2020.01.09
新潟県のNGMS観測点での観測を2019/12/20にて終了しました。佐渡島内でのR937, R938での観測点でも今年度中に観測を終了する予定です。なお、当ページで公開している観測点の座標値は、国土地理院の発表する速報解・最終解とは異なるソフトウェア、手法で独立に求めた座標値です。国土地理院の発表する座標値と大きく異なる場合は、元データの品質に問題がある場合が多いですので、参考にして下さい。

2020.04.02
国土地理院との共同研究として行っていた新潟県佐渡市の3観測点での観測を終了しました。今年度は山陰ひずみ集中帯における観測網強化のため、島根県西部・広島県北部で新たな観測点を設置する予定です。また、2019年11月から隠岐諸島知夫里島での観測も開始しています。さらに、鬱陵島などの韓国のGNSS観測点についても不定期ではありますが、座標値を計算しています。

2020.12.18
今まで観測点座標値の算出に使っていた米国ジェット推進研究所で開発されたGNSSソフトウェアGIPSY-OASISが大幅更新されて,GipsyXと名称も変更されました.現在両ソフトウェアを平行して運用し,安定的に座標値計算ができるかどうかテスト中ですが,テスト終了後は当ホームページで公開する座標時系列も近日中にGipsyXを用いた座標に差し替えます.解析ストラテジーが若干変わっていて,今まで仰角15°以上としていたものを仰角7°以上のGPS衛星を測位計算に使います.座標値のばらつきが特に上下成分で小さくなっている観測点が多いですが,ばらつきが大きくなった観測点もありますので,注意して下さい.

2021.2.7
上に記したGNSSソフトウェアの変更を行いました.7割以上の観測点でGipsyXにすることにより,座標値再現性が向上しました.上下成分だけでなく水平成分も平均で5%ほど再現性が向上しました.また,短期的な再現性だけでなく年周変化が大きく変わった観測点もあり,GNSSデータの奥深さをあらためて感じているところです.ただ,特定の観測点ではアウトライアー(外れ値)が増えたため,再現性が悪くなっている観測点もあります.また,解析で用いているサーバーやデータのコピーのタイミングのため,以前より更新時間が遅くなってしまいましたが,今後なるべく早く更新できるように移行作業を進めて行きたいと思います,更新が不安定になることもありますが,しばらくはご容赦願います.

2021.8.13
能登半島珠洲市周辺で、群発地震活動に伴う地殻変動が進行しています。ただし、地震のマグニチュードに対して、観測されている地殻変動の方がはるかに大きいため、地殻変動に伴って群発地震が活発化したと言う方が正確です。内陸・非火山地域でこのような地殻変動が観測される事例は、極めて珍しいと思います。現状の観測網では十分に変動源を特定出来ないため、珠洲市に臨時観測点を設置予定で、設置後はこのページでもデータを公開予定です。今後の推移に注目していきます。

2021.9.27
9月7日に能登半島珠洲市周辺にGNSS連続観測点を2か所に臨時設置しました。データが順調に収録できていることから、本日よりホームページでの時系列の公開を開始します。現在の所9月16日のM5.1の地震に伴うものを含めて,有意な地殻変動は観測されていません。なお、周辺には金沢大学の平松教授によるオフライン観測点も同時期に設置されましたので、国土地理院の定常観測網とこれらの臨時観測網のデータを総合的に解析していきたいと思います。

2021.10.15
能登半島の地震活動は依然として活発で、京大防災研で設置した観測点も含めて各観測点での座標の時系列は、こちらで見られます。群発地震域近傍の基線変化のグラフ(ZSOT-SZMS, 0253-SZMS, 0253-SZOT)も公開していますので、合わせて参照して下さい。

2022.9.26
前回のコメントから1年近く経ちましたが、能登半島の群発地震活動は依然として活発です。2022年7-8月には、国土地理院と京大防災研の臨時観測点が増設されました。基線変化グラフ(SZOT-SZID, SZOT-SZMT, SZOT-9094, SZOT-9095)も追加しました。

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