2020.12.18 今まで観測点座標値の算出に使っていた米国ジェット推進研究所で開発されたGNSSソフトウェアGIPSY-OASISが大幅更新されて,GipsyXと名称も変更されました.現在両ソフトウェアを平行して運用し,安定的に座標値計算ができるかどうかテスト中ですが,テスト終了後は当ホームページで公開する座標時系列も近日中にGipsyXを用いた座標に差し替えます.解析ストラテジーが若干変わっていて,今まで仰角15°以上としていたものを仰角7°以上のGPS衛星を測位計算に使います.座標値のばらつきが特に上下成分で小さくなっている観測点が多いですが,ばらつきが大きくなった観測点もありますので,注意して下さい.
2021.2.7 上に記したGNSSソフトウェアの変更を行いました.7割以上の観測点でGipsyXにすることにより,座標値再現性が向上しました.上下成分だけでなく水平成分も平均で5%ほど再現性が向上しました.また,短期的な再現性だけでなく年周変化が大きく変わった観測点もあり,GNSSデータの奥深さをあらためて感じているところです.ただ,特定の観測点ではアウトライアー(外れ値)が増えたため,再現性が悪くなっている観測点もあります.また,解析で用いているサーバーやデータのコピーのタイミングのため,以前より更新時間が遅くなってしまいましたが,今後なるべく早く更新できるように移行作業を進めて行きたいと思います,更新が不安定になることもありますが,しばらくはご容赦願います.
2021.8.13 能登半島珠洲市周辺で、群発地震活動に伴う地殻変動が進行しています。ただし、地震のマグニチュードに対して、観測されている地殻変動の方がはるかに大きいため、地殻変動に伴って群発地震が活発化したと言う方が正確です。内陸・非火山地域でこのような地殻変動が観測される事例は、極めて珍しいと思います。現状の観測網では十分に変動源を特定出来ないため、珠洲市に臨時観測点を設置予定で、設置後はこのページでもデータを公開予定です。今後の推移に注目していきます。
2021.9.27 9月7日に能登半島珠洲市周辺にGNSS連続観測点を2か所に臨時設置しました。データが順調に収録できていることから、本日よりホームページでの時系列の公開を開始します。現在の所9月16日のM5.1の地震に伴うものを含めて,有意な地殻変動は観測されていません。なお、周辺には金沢大学の平松教授によるオフライン観測点も同時期に設置されましたので、国土地理院の定常観測網とこれらの臨時観測網のデータを総合的に解析していきたいと思います。
2021.10.15 能登半島の地震活動は依然として活発で、京大防災研で設置した観測点も含めて各観測点での座標の時系列は、こちらで見られます。群発地震域近傍の基線変化のグラフ(ZSOT-SZMS, 0253-SZMS, 0253-SZOT)も公開していますので、合わせて参照して下さい。
2022.9.26 前回のコメントから1年近く経ちましたが、能登半島の群発地震活動は依然として活発です。2022年7-8月には、国土地理院と京大防災研の臨時観測点が増設されました。基線変化グラフ(SZOT-SZID, SZOT-SZMT, SZOT-9094, SZOT-9095)も追加しました。
2023.6.2 四国の中央構造線の断層運動に伴う地殻変動解析のため高知大学で長年設置・運営されていた瀬戸内海燧灘周辺のⅢ観測点(青島、伊吹島、今治)を引き継ぎました。また、2023年5月5日の能登半島の地震後の地殻変動が気になるところです。
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