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L1 L2 L3 L4 - 安定 L5 L4 - 不安定

ラグランジュ点の安定性を調べてみた

ラグランジュ点とは?

重力で引き合いながら回転運動をする2天体は、楕円軌道のようなシンプルな軌道を描きます。このような2天体の運動は、二体問題と呼ばれ、数学的に厳密に解くことが出来ます。ところが、もう一つ天体が増えた、三体問題では、そのような解析解が求められなくなります。ただ、3つの内、1つの天体の質量が他の2天体に比べて十分小さいときには、二体問題で求めた解析解を用いて運動を調べることが可能になります。

ラグランジュ点とは、楕円軌道を描く2天体の重力場の中にある、(それらの運動を変化させないぐらい)質量の小さい小天体が受ける力が0となる点(平衡点)のことを言います。このような点は5個あることが知られ、それぞれL1からL5までの名前が付けられています。

その点にある小天体が安定的に居続けるためには、安定な平衡点である必要があります。「平衡点が安定である」という言葉の意味についてですが、平衡点を少しずれた点に天体があるときに、天体が平衡点に戻る力を受けるときに、その平衡点は安定と言います。要するに、平衡点に戻ろうとする力を受けるために、その点に居続けることが出来るために安定というわけです。逆に、平衡点を少しずれると、さらに離れようとする力を受けるときに、その平衡点は不安定と言います。

平衡点が安定・・・平衡点をずれると戻ろうとする力が働く

平衡点が不安定・・・平衡点をずれると離れようとする力が働く

平衡点では力を受けないですが、ずれたときに戻りやすいか離れやすいかで安定性が決まるわけです。このような平衡点周りの安定性はL1からL5までの各ラグランジュ点について解析的に調べられています。そこでこのページでは、これを確かめるために、平衡点周りにたくさんの小天体を配置し、その時間発展を見ることで、安定性を可視化しようということを目的としています。

5個のラグランジュ点の周りにたくさんの小天体を配置して、その時間発展を見ることで、安定性を可視化する

ここでは、便宜上、2天体の内、質量が大きい方を太陽、小さい方を地球を呼ぶことにします。質量比は(実際とはもちろん違いますが)100倍となっています。

下の図では、中心付近にあるオレンジの点が太陽、青い点が地球、ラグランジュ点は黒色で表しています。図をクリックすると再生が始まり、もう一度クリックすると最初に戻ります。

L1 - 不安定

太陽(オレンジ)と地球(青色)を結ぶ直線上にあるラグランジュ点がL1です。L1(黒い点)の周りに分布した赤色の小天体は、バラバラになり、太陽の周りを楕円っぽく回るものと、地球の周りをしばらく回るものに分かれます。

L2 - 不安定

地球(青色)の後ろ側にあるラグランジュ点がL2(黒色)です。ほとんどの小天体が遠心力によってふっ飛ばされしばらくすると戻ってきます。残りの小天体はしばらく地球の周りを回ったあと、段々と太陽(オレンジ)の方に行くようです。

L3 - 不安定

地球(青色)から見て、太陽(オレンジ)をはさんだ反対側にあるラグランジュ点がL3(黒色)です。最初は、軌道全体に広がるような動きを見せ、そのあと、小天体が地球に近づくと、バラバラに散ります。このようなわずかな初期値の違いが大きな結果の違いにつながることを、カオスと言います。カオスは、二体問題では現れない三体問題の特徴的な振る舞いの一つです。

L4 - 条件付き安定

太陽(オレンジ)と地球(青色)を頂点の2つとする正三角形を作る地球進行方向の位置にあるもう一つの頂点がラグランジュ点がL4(黒色)です。この点とL5は、条件付き安定な平衡点です。その条件というのは、太陽(オレンジ)と地球(青色)の質量比がおよそ25倍以上というものです。この計算では太陽の質量は地球の質量の100倍なので、条件を満たして平衡点は安定となります。小天体によっては軌道が大きく外れるものもありますが、L4(黒色)周辺に小天体がとどまっていることが分かります。とどまっている小天体はそら豆のような軌道を描くことが知られています。

回転座標で見たものがこちらです。そら豆軌道を速度を変えながら回っていることが分かりますね。

L5 - 条件付き安定

太陽(オレンジ)と地球(青色)を頂点の2つとする正三角形を作る地球進行と逆方向の位置にあるもう一つの頂点がラグランジュ点がL5(黒色)です。L4と同様の条件付き安定の点です。この計算では、太陽(オレンジ)と地球(青色)の質量比が100倍なので、条件を満たし、L5は安定な平衡点となります。

条件付き安定が不安定になるとき

L4とL5について、条件付き安定であることを強調してきました。これらの点が安定な平衡点となる条件は、大きい方の天体の質量が小さい方に比べ約25倍以上というものです。つまり、2天体の質量が近いと不安定になることを意味します。

2つの質量比を変化させて、安定性がどのように変化するか見てみましょう。

ギリギリ安定(質量比=26)

さきほどの例(質量比=約100)よりは安定が弱くなっていますが、それでも安定な平衡点です。

不安定(質量比=20)

L4が不安定な平衡点となった場合です。しばらく経つとほとんどの小天体がL4周辺の軌道から外れてしまいます。

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