大阪府北部から京都府中部にかけての丹波山地、さらに琵琶湖西岸に至る地域は定常的に微小地震活動が活発である。地震発生レートは中期的には極めて安定しているが 、過去に活動度が大きく変化した例が知られており、応力場に敏感に反応する側面もあると考えられている。また近年においても、2003 年以降地震活動の低下が指摘されている。特定の活断層に沿わず面的広がりを持つ定常的な地震活動は日本列島においてもあまり類例のない特異なものと考えられれるが 、地震活動の原因は自体はほとんど分かっていない。これまでの多くの研究により示唆されている丹波山地下の地下流体の存在が 、定常活動の成因とその活動変化に大きく影響しているものと考えられるが、その解明のためには詳細な地下構造に関する情報が必要である。本研究では、従来の観測密度をはるかに凌駕する多項目の観測を実施することにより、高解像度で地下構造の把握し、この地域の地震活動の原因およびその時間変化の要因をさぐることを目的としている。本研究は、当初の計画概要にほぼ準拠した形で進行している。