京都大学防災研究所研究集会(特定)13S−1
「地震・火山噴火活動の相関とトリガリング」
場所:京都大学宇治キャンパス 化学研究所共同研究棟 大セミナー室
日時:平成 13 年 7月17日(火)13:00 〜 7月 18日(水)15:00
研究集会の趣旨
最近の伊豆諸島での活動に見られるような地震と地震,地震と火山噴火,さらには他の地学現象との相関について,その物理的な機構を明らかにするため,観測事例の報告と静的あるいは動的な力学モデルによる理論的な研究成果をつきあわせ,議論する.これに基づき,地震・火山噴火相互の間,あるいは他の地学現象との間に見られる相関について観測事例を取りまとめ,さらにこれに最新の力学的な研究に基づいた解釈を加えるとともに,将来の地震発生・火山噴火予測の基礎を与えることを目指す.
プログラム(5月11日現在の暫定版:*は交渉中ないしは調整中)
7月17日 13:00〜17:00
1.はじめに
あいさつ:梅田康弘(京都大学防災研究所地震予知研究センター長)
集会の趣旨説明:橋本 学(京都大学防災研究所)
2.これまでの地震・火山噴火の連動現象のレビュー
(1)群発地震活動,地震活動の移動現象
1998年岩手山周辺の火山・地震活動 植木貞人(東北大学大学院理学研究科)
1999年北アルプスの群発地震活動 青山 裕(北海道大学理学部附属有珠火山観測所)
2000年伊豆諸島の地震・火山活動 山岡耕春(名古屋大学大学院理学研究科)
大・中規模地震と周辺での空白域の形成 片尾 浩(京都大学防災研究所)
注水に伴う誘発地震 西上欽也(京都大学防災研究所)
(2)離れた地震・火山噴火の連動現象
*東北日本弧に見られる地震と火山噴火活動の関連 中禮正明(気象庁地震火山部)
明治三陸沖地震と陸羽地震との関係について 大竹政和(東北大学大学院理学研究科)
文献史料と堆積物から見た東海・南関東地域の火山噴火と地震の連動 小山眞人(静岡大学教育学部)
嘉永七年(1854)伊賀上野地震に伴う桑名・四日市断層の活動 中西一郎(京都大学大学院理学研究科)
内陸プレート境界周辺における地震・火山活動の連鎖的な発生とそのテクトニクス上の意義
山崎晴雄(東京都立大学理学部)
内陸地震活動の連動性 吉田明夫(気象庁気象研究所)
南海地震と西南日本内帯の地震活動の関連
堀 高峰(海洋科学技術センター)・尾池和夫(京都大学大学院理学研究科)
日向灘の地震と九州の内陸地震との同期性 山岡耕春(名古屋大学大学院理学研究科)
広域地殻変動と桜島火山活動との関連 田中穣(鹿児島大学理学部)
霧島火山帯における火山活動の関連性 石原和弘・井口正人(京都大学防災研究所)
(3)連動を伴わない活動
釜石沖の固有地震的活動 松澤 暢・五十嵐 俊博・長谷川 昭(東北大学大学院理学研究科)
内陸地震は連動するか? 飯尾能久(東京大学地震研究所)
懇親会(7月17日講演終了後)
7月18日9:00〜12:00
3.静的応力変化による解釈と問題点
伊豆半島東方沖と岩手山周辺のマグマ活動と地震活動 西村卓也(国土地理院)
鹿児島県北西部地震の震源過程と地震発生 堀川晴央(産業技術総合研究所活断層研究センター)
1906年San Francisco地震と1911年Morgan Hill地震 堀 高峰(海洋科学技術センター)
地震発生における地球潮汐の影響 鶴岡 弘(東京大学地震研究所)
地球潮汐による地震のトリガー現象:全世界の地震についての検証
田中佐千子・大竹政和・佐藤春夫(東北大学大学院理学研究科)
静的応力変化と地震発生確率利得 遠田晋次(産業技術総合研究所活断層研究センター)
4.動的応力変化による解釈と問題点
小笠原硫黄島で観測される火山性地震のリモートトリガリング 鵜川元雄(防災科学技術研究所)
*動的応力変化による地震活動の励起の検討 岩田貴樹(リバプール大/統計数理研究所)
断層間での動的破壊の乗り移り 加瀬祐子(産業技術総合研究所活断層研究センター)
成長する地震と止まる地震 梅田康弘(京都大学防災研究所)
5.シミュレーションと展望
GeoFEMによる不均質構造を考慮したモデリング 平原和朗(名古屋大学大学院環境学研究科)
断層間の相互作用を考慮したシミュレーション 橋本 学(京都大学防災研究所)
地震発生の必要条件と長距離相関を作り出すモデル 大内 徹(神戸大学理学部)
7月18日 13:00〜15:00
6.パネルディスカッション −地震・火山噴火活動のトリガリング:発生予測へ向けて−
コーディネーター
橋本 学
パネリスト
遠田晋次,平原和朗,小山眞人,飯尾能久,山岡耕春
7.まとめと今後の課題 遠田晋次