京都大学研究ワークショップ

地震リスクと不確実性:科学者と教育関係者の対話

〜リスク相互コミュニケーション・学習モデル創りに向けて〜

 

本ワークショップについて

 

京都大学を中心とする有志の研究グループは近年、地震学や公共政策学といった学問の垣根を越え、地震リスクと不確実性について対話を行ってきました。その中で、リスクや不確実性情報の共有のあり方、それに関わる知のコミュニケーションの図り方を見直す必要があることが共通の認識として取り上げられてきました。特に、情報開示のあり方が重要になる一方で、単に情報を投げるのではなく、市民を含む様々な関係者間の相互コミュニケーションと協働による知識形成過 程のあり方を追求する必要があると考えています。

 

20169月、東海地震の予知を前提にした大規模地震対策特別措置法(大震法)が見直されることになり、これに関して「不確かな情報を、不確かさの度合いを含めて社会にどのように伝えるか、研究者、行政、住民をまじえて真剣な議論が要る」(日本経済新聞社説、2016915日付)ことがメディアでも指摘されています。このように、日本社会全体の中での地震リスクと不確実性に対する向きあい方への問題意識が高まる流れにあります。

 

一方、日本においてこうした議論は緒についたばかりの段階にあります。地震リスクとその不確実性について科学と社会がどのようにそれに向き合うのか、その方 向性を「現場」にどのように組み入れていくのかについて、科学と社会の両方の要素を踏まえて多様な関係者の対話を積み重ねながら、様々なシナリオに基づいて地震リスクと不確実性に関わる相互コミュニケーションとラーニング(学習)促進のあり方を検討していくことが肝要と考えられます。

 

こうした問題意識を踏まえ、このワークショップでは、関西地方に特に関連する南海トラフ沿いの大規模地震の可能性に関するケースに焦点を当て、「社会」の1つの大事な要素である学校、子供、親といった人々に大きな影響を与える「教育関係者」の方々を対象に、教育関係者と科学者(地震学者、社会科学者の両方)間でシナリオに基づいた対話を通して、地震リスクと不確実性に関わる「双方向」のコミュニケーションおよび学習共有方法を検討したいと思います。

 

開催日:  201735日(日)

開催場所:京都大学東一条館  606-8306京都市左京区吉田中阿達町1番地(地図は裏面参照)

  催: リスクと不確実性に関わる研究グループ(京都大学 清水美香代表)

       京都大学防災研究所 橋本学研究室

  力: 龍谷大学 中島健先生

  象: 小中高の学校関係者

(注:分野などは問いません。もし遠方から出席頂く場合、交通費等は各自負担になることをご了承ください)

参加者募集人数:  15名程度

 

*)文部科学省/学術振興会の科学研究費補助金の採択テーマ(「現代リスク社会の変容における公共政策の役割:公共政策と「不確実性」による」)に基づく研究

 

プログラム

9:40 1000 受付

10001030 趣旨説明 自己紹介

10301100 「地震リスクと不確実性」について背景の解説

11001215 シナリオ1

12151300 昼食(※各自昼食持込か、必要な場合は、各自負担になりますが、事務局でまとめてお弁当とお茶を注文いたします)

13001415 シナリオ2

14151530 シナリオ3

15301545 休憩

15451630 まとめと今後

 

形式・方法:

◎科学者が描く南海トラフ沿いの大規模地震に関わる3つのシナリオ(※ワークショップ全体を通して、内閣府の「南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会」で検討されたシナリオ:http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/taio_wg/pdf/h281122shiryo2-2.pdf に基づいて描きます)を踏まえ、参加者はグループに分かれ、プロセス・問題の可視化・構造化を図るため、模造紙・付箋・カラーペンを使用しながらのワークに参加いただきます。

 

◎そのプロセスの中で、1)情報発信・伝達方法、2)情報の受け取り方、解釈の仕方、3)そこに関わる関係者(ステークホルダー)のコミュニケーション、4) 上記1)-3)を踏まえてとり得る行動について、順次対話を重ねます。

 

◎全体として上記1)-4)それぞれの段階で引き出される課題、またそれぞれの課題がどのように繋がっているかを検証し、より良いコミュニケーション・知の共有の在り方について検討します。

 

登録方法:

京都大学研究ワークショップ事務局(kyotouniversity123@gmail.com)宛てに、

1.お名前、2.所属(お役職)、3.昼食時のお弁当注文の有無(1200円ほどを予定していますが、確定金額については追ってご連絡します)を明記の上、メールをお送りください。

※ 当日、日曜日のため、入館の際に建物の自動ドアは自動開閉しませんので、できる限り受付時間内にお越しください。もし遅れる場合は、事務局宛に事前に何時ごろにいらっしゃるかご連絡ください。

 

開催場所地図

テキスト ボックス:   

最寄のバス停

京都市バス 「京大正門前」バス停から 徒歩3分

または

京都バス 「川端一条」バス停から 徒歩2分