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中部地方北部から中国・四国地方における地震活動


東北地方太平洋沖地震(M9.0)の後,全国的な地震,火山活動の活発化が確認されています.当センターの地震観測網においても,近畿地方とその周辺域(特に,中部地方北部から中国・四国地方)における地震活動について注意しています.(地震予知研究センター 定常地震観測担当(西上)/地震防災センター部門)

中部地方北部から中国・四国地方東部にかけての地震活動。左上:地震の分布(2011年3月1日から最新の地震検出時まで)。右上:左図の枠内の範囲について地震発生の時間軸を左から右に示したもの。3月11日の東北地方太平洋沖地震の発生後、飛騨山脈周辺で地震数が増えています。この活発化域の南端付近で3月はじめから続いている活動は、2月27日に発生した丹生川町(乗鞍岳西方)の地震(M4.9)の余震活動です。なお、左下の図は、深さ分布(東西断面)、右下の図は、深さ分布の時間変化を示す図です。自動処理データのため、現時点では精度の悪いものも含まれています。

中部地方北部の地震活動。右上:地震の分布(2011年3月1日から最新の地震検出時まで)。右下:上図の枠内の範囲について地震発生の時間軸を上から下に示したもの。3月11日の東北地方太平洋沖地震の発生後、この地域で地震活動の活発化が見られます。領域A:福井・石川県境付近(3月11日、M4.1)、領域C:焼岳を中心とする飛騨山脈(青い点線で囲った範囲)、領域D:高山市南東の久々野付近(3月16日、M4.0)。なお、飛騨山脈の西側の地震集中域Bは、2月27日に発生した岐阜県丹生川町(乗鞍岳西方)の地震(M4.9)の余震活動です。左上の図は、深さ分布(南北断面)、左下の図は、深さ分布の時間変化を示す図です。自動処理データのため、現時点では精度の悪いものも含まれています。

これまでの報告

最新の情報は,上を参照してください.

中部地方北部から中国・四国地方東部にかけての地震活動。左上:地震の分布(2011年3月1日〜3月18日)。右上:左図の枠内の範囲について地震発生の時間軸を左から右に示したもの。3月11日の東北地方太平洋沖地震の発生後、飛騨山脈周辺で地震数が増えています。この活発化域の南端付近で3月はじめから続いている活動は、2月27日に発生した丹生川町(乗鞍岳西方)の地震(M4.9)の余震活動です。なお、左下の図は、深さ分布(東西断面)、右下の図は、深さ分布の時間変化を示す図です。自動処理データのため、現時点では精度の悪いものも含まれています。

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中部地方北部の地震活動。右上:地震の分布(2011年3月1日〜3月18日)。右下:上図の枠内の範囲について地震発生の時間軸を上から下に示したもの。3月11日の東北地方太平洋沖地震の発生後、この地域で地震活動の活発化が見られます。領域A:福井・石川県境付近(3月11日、M4.1)、領域C:焼岳を中心とする飛騨山脈(青い点線で囲った範囲)、領域D:高山市南東の久々野付近(3月16日、M4.0)。なお、飛騨山脈の西側の地震集中域Bは、2月27日に発生した岐阜県丹生川町(乗鞍岳西方)の地震(M4.9)の余震活動です。左上の図は、深さ分布(南北断面)、左下の図は、深さ分布の時間変化を示す図です。自動処理データのため、現時点では精度の悪いものも含まれています。


中部地方北部から中国・四国地方東部にかけての地震活動。左上:地震の分布(2011年3月1日〜3月15日)。右上:左図の枠内の範囲について地震発生の時間軸を左から右に示したもの。3月11日の東北地方太平洋沖地震の発生後、飛騨山脈周辺で地震数が増えています。この活発化域の南端付近で3月はじめから続いている活動は、2月27日に発生した丹生川町(乗鞍岳西方)の地震(M4.9)の余震活動です。なお、左下の図は、深さ分布(東西断面)、右下の図は、深さ分布の時間変化を示す図です。自動処理データのため、現時点では精度の悪いものも含まれています。

中部地方北部の地震活動。右上:地震の分布(2011年3月1日〜3月16日)。右下:上図の枠内の範囲について地震発生の時間軸を上から下に示したもの。3月11日の東北地方太平洋沖地震の発生後、この地域で地震活動の活発化が見られます。領域A:福井・石川県境付近(3月11日、M4.1)、領域C:焼岳を中心とする飛騨山脈(青い点線で囲った範囲)、領域D:高山市南東の久々野付近(3月16日、M4.0)。なお、飛騨山脈の西側の地震集中域Bは、2月27日に発生した岐阜県丹生川町(乗鞍岳西方)の地震(M4.9)の余震活動です。左上の図は、深さ分布(南北断面)、左下の図は、深さ分布の時間変化を示す図です。自動処理データのため、現時点では精度の悪いものも含まれています。


西南日本の内陸部の地震活動変化(3/31改訂)

東北地方太平洋沖地震の発生に伴い、日本列島の広域にわたって地殻応力の変化すると考えられます。中越地方、静岡県東部の地震などは、東北地方太平洋沖地震の影響を受け、その震源域の外において「誘発」された活動である可能性があります。

近畿地方を中心とした西南日本の内陸部でも微小地震活動の変化が見られます。 図1は当センターの微小地震観測システムで捉えた微小地震の震央分布および東西方向/南北方向に投影した空間軸による時空間分布です。 期間は今年の1月1日から3月18日までです。赤線は東北地方太平洋沖地震の発生時刻を表しています。

近畿地方においては、「和歌山市周辺」と大阪府北部から京都府中部にかけての「丹波山地」の2つがおもな微小地震活動域です。 「和歌山市周辺」は、通常微小地震が定常的に発生している場所ですが、3月11日以降地震発生数が顕著に少なくなっていることがわかります。図2では同地域の昨年10月以降3月22日16時までの地震発生数を積算したグラフを示しています。 「丹波山地」では、いまのところ東北地方太平洋沖地震前後で大きな変化は無いように見えます。図3では同地域の昨年10月以降3月22日16時までの地震発生数を積算したグラフを示していますが、今年2月頃から活動がやや低下していたことがわかります(図の青矢印)。 その他、飛騨地方では、2月末からの活動がありましたが、東北地方太平洋沖地震を契機に飛騨山地全体で活発な活動が続いています。また、中越地域で東北地方太平洋沖地震以降マグニチュード6の地震とその余震活動が活発であることもわかります。 (地震予知研究センター 片尾)

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図1:京都大学防災研究所地震予知研究センターの微小地震観測システムSATARNの自動処理結果による時空間分布。 2011年1月1日ー3月18。深さ30kmより浅い地震のみ。 東北地方太平洋沖地震の発生時を赤線で示す。飛騨山脈ではコサイスミックに活発化。近畿の微小地震地震活動域のうち「和歌山市周辺」は活動低下が見られる。

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図2:同じく、「和歌山市周辺域」の積算地震発生数。 2010年10月1日ー3月22日16時。深さ30km以浅。 東北地方太平洋沖地震の発生時を赤矢印で示す。和歌山市周辺はコサイスミック活動低下が見られる。 この地域の地震活動は普段極めて定常的で単調に右肩上がりであるが、赤矢印部で傾斜が急に緩くなっている。

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図3:同じく、「丹波山地」の積算地震発生数。 2010年10月1日ー3月22日16時。深さ30km以浅。 東北地方太平洋沖地震の発生時を赤矢印で示す。とくにコサイスミックな発生レートの変化は見られない。 今年2月頃から活動がやや低下していたことがわかる(図の青矢印)。

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図4:同じく、「中越地域」の積算地震発生数。 2010年10月1日ー3月21日6時。深さ30km以浅。 東北地方太平洋沖地震の発生時を赤矢印で示す。長野県北部で3月12日にM6.7の地震が発生、活発な余震活動が続く。 今年1月中旬頃から活動がやや低下していたことがわかる(図の青矢印)。

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参考図5:同じく、「岩手宮城内陸地域」の積算地震発生数。 2010年10月1日ー3月21日6時。深さ30km以浅。 2008年の岩手宮城内陸地震の余震が続いていたが、東北地方太平洋沖地震の発生(赤矢印で示す)以降、活動が低下している。 ただし、観測網が損傷を受けたためか、あるいは海側での活発な余震活動によって、内陸部での検知能力が落ちている可能性も考えられる。

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参考図6:同じく、「三陸沖」の積算地震発生数。 2010年10月1日ー3月21日6時。深さ30km以浅。 三陸沿岸沖合の浅い地震の活動、東北地方太平洋沖地震の発生(赤矢印で示す)前、2月初めごろから活動が低下していたように見える。

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図7:近畿地方において3月11日以降起きた微小地震の発震機構。 上が「丹波山地」、下が「和歌山市周辺域」のもの。上半球、ステレオ投影

図8:z値の分布。z値は地震活動の変化を表す指標で、正の値は地震活動が静穏化していることを、負の値は活発化していることを意味する。 東北地方太平洋地震前後(1月1日から3月10日までと、地震後)の期間につき、当センターの微小地震観測システムの自動処理結果を基に算出した。丹波山地および和歌市周辺域は地震後静穏化している。飛騨山脈、中越地方などで活発化が見られる。

図9:z値(図7の説明参照)の分布。東北地方太平洋地震前後(1月1日から3月10日までと、地震後)の期間につき、気象庁の一元化震源データを基に算出した。丹波山地は静穏化を示すが、和歌市周辺域はとくに変化がなく、当センターのデータに結果(図7)と差異がある。飛騨山脈、中越地方などで活発化が見られる。

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図10:z値(図7の説明参照)の分布。東北地方太平洋地震に先立つ地震活動変化があったかどうかを見るため、昨年10月1日から本年1月31日までと、2月1日から地震前日の3月10日までの期間につき、気象庁の一元化震源データを基に算出した。丹波山地、和歌市周辺域中越地方などで静穏化していたことがわかる。


地震情報表示システム

焼岳周辺の最近1週間の時空間分布

地震予知研究センターの地震情報表示システムの地震活動情報による地震活動図です. この項の図の作成にあたっては、地震予知研究センターの自動処理により決定された、 震源データ(防災研自動震源)と、気象庁による速報震源リスト(注3/17現在気象庁速報震源は東北地方太平洋沖地震への対応などのため,暫定版となっています)を組み合わせたものが利用されています. 自動震源は、間違った位置に震源が決められていることがありますのでご注意ください.

(地震防災研究部門 大見/地震予知研究センター加納)