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GPSキネマティック解析による地震時変位(水平)または(鉛直)
地球物理学教室の宮崎さんによる,GEONETの30秒データのキネマティック解析結果を紹介します.
Gによる変位場の更新です.国土地理院の結果との違いは3/11 15:15の余震(3/20時点での最大余震)を分離していることです.この余震でさえ,10 cmオーダーの水平変位を生じています.
2011年3月11日14時46分の本震によって生じた水平変位の分布.15時15分の余震の寄与は分離してある(下の図参照).
2011年3月11日14時46分の本震によって生じた鉛直変位の分布.15時15分の余震の寄与は分離してある(下の図参照).
2011年3月11日15時15分の余震(3月20日時点での最大余震)によって生じた変位場.黒矢印が水平変位,赤矢印が鉛直変位をしめす.
下記の観測結果をもとに,本震の断層面でのすべり分布を推定しました.
最終的なすべり分布.青〜赤色であらわされているすべり量の単位は cm.図中の赤丸は観測点の位置を示す.
上のすべり分布から計算される水平変位分布(赤)と観測による水平変位分布(黒)の比較.
上のすべり分布から計算される垂直変位分布(赤)と観測による垂直変位分布(黒)の比較.
地震時に,それぞれの地点が水平方向あるいは垂直方向にそれだけ動いたかを調べました.最大変位は,雄勝で水平5.2m,沈降1.1 mです.(京都大学大学院理学研究科地球物理学教室 宮崎)
水平変位.
垂直変位
- 解析ソフト: GIPSY-OASIS
- 暦: JPL rapid
- 解析方法:5分ごとのキネマティック測位で,地震発生前5エポックと地震発生後5エポックの比較です.
謝辞:国土地理院のGEONETのデータを使用しました.