Home > 岐阜県飛騨地方の地震

岐阜県飛騨地方の地震

2011年2月27日未明より岐阜県飛騨地方でM4.9, M5.4など地震が多発しています. 2時19分頃,M4.9(気象庁暫定値)の地震があり,岐阜県高山市奥飛騨温泉郷栃尾などで震度4を観測しました.また,5時38分頃,M5.4(気象庁暫定値)の地震があり,高山市奥飛騨温泉郷栃尾,高山市上宝町本郷,飛騨市神岡町東町などで震度4を観測しました.

岐阜県飛騨地方の地震に関する防災研究所附属地震予知研究センターおよび地震防災研究部門の関連分野による観測・調査・研究について紹介します.(最終更新日:2011年2月27日:初版掲載:2011年3月4日)

上宝観測所によるルーチン観測:メカニズム解析

上宝観測所によるルーチン観測による解析結果を紹介します(地震予知研究センター上宝観測所 大見・和田・高田)

index map

インデックスマップ.白い枠の範囲が下の図に対応する.白い◯が2月27日以降の地震の震央で,◯の大きさがマグニチュードに対応している.

mechanism

初動極性による2月27日の有感地震のメカニズム.青いメカニズム解(ビーチボール)で示されているイベントは再検測をしたもの,緑は自動処理の結果によるもの.それぞれ震央は赤い●でしめす.メカニズムの解析には,震央距離150km以内の観測点のデータを使用した.メカニズム解(ビーチボール)は下半球投影.赤い◯は震央分布で2月27日の24時まで.(クリックすると拡大します)

謝辞:京大・名大・Hinet・気象庁のデータに加え,国土交通省神通川水系砂防事務所管轄の地震計データも使用した.また作図には GMT および GoogleEarth を使用した.

周辺の地質との関係

地質図上では美濃帯(ジュラ紀付加体)中に発生しているようです.F-netによるメカニズム解はENE-WSE走向の逆断層解が主で,この地域の地質構造と調和的です.震源の深さは「ごく浅い」ので,おそらく付加体中の地質構造上の弱線で発生していることが考えられます.ただし,周辺に多数分布する活断層はENE走向の右横ずれが主体で,今回の地震発生域は高山断層帯の東端付近にあたります.高山断層帯の平均的な右横ずれの速度は概ね1m/千年程度で,活動間隔は4千年程度で最新の活動時期は不明,予想される地震規模はM7.6程度とされています(地震調査研究推進本部,2005年).(地震予知研究センター 遠田)

ひずみ地震動

上宝(蔵柱)観測坑の伸縮計で記録されたひずみ地震動です.(地震予知研究センター 森井)

strain seismogram

強震記録の解析

強震記録の解析です(地震防災センター部門/次世代研究開拓ユニット 山田)

道路の被害

地震動でがけ沿いの道が谷側へ出ることによる道路亀裂で、開口幅 4cm、上下変動は最大3cm、道路側面(は護岸された谷の側壁ですが)のはらみだしも見た目には分からない程度でした。場所は国道158号のN36.178度、E137.49度付近です.(地震予知研究センター 上宝観測所 高田)

r158

地震予知研究センター 地震情報表示システム

中部地方の最近1週間の震源分布.同システムでは,表示地域,期間などをインタラクティブに選択して表示できます.

京大の微小地震観測網で観測された地震波形

京都大学で展開している微小地震観測網で観測された2時19分の地震5時38分の地震の短周期地震波形です.

pmonlpr

pmonlpr

リンク

(順不同)